現代沖縄のやちむん(やきもの)

那覇の中心部から近い「壺屋やちむん通り」にはやきものの専門店が並び、観光客でにぎわっている。また、中部の読谷村には「やちむんの里」があり、多くの陶工の方たちが制作をしている。那覇の繁華街国際通りにもやきものを扱うお店がたくさんある。

沖縄のやきものは同じデザインのものがたくさん焼かれているが、同じ窯のものでも、ひとつひとつ表情が違うので、手にとりながら選んでいると時間を忘れてしまう。



旅の記念に酒器をふたつ、持ち帰ることにした。 
布は古い芭蕉布の絣。


読谷村の登り窯。沖縄の真夏の明るさは、東京の3倍にくらいに感じる。



古色古香的中国之旅・その五―中国的及日本的印泥

 上海美術館で素晴らしい彫刻や青銅器を鑑賞。

専門家から名前を伺っていた印泥の職人さんになかなか連絡がつかなくて困っていたが、美術館の先生に自宅へ電話をしていただき、お会いすることができた。

有名な書家や篆刻家が気に入った色を指定して作っていただくという工房で、店は持っていない。注文を受けてから錬り始めるという。大手製品も機械錬りがほとんどになり、上質な材料で手づくりする印泥は貴重で、比べると確かに違う。特に時間が経過すると発色などに差が出るという。今回は微妙に違う3種類の印泥を注文して作っていただくことにした。秋から祥雲の一階で販売する許可を得た。

Zの話では昔の中国では優れた筆や墨が作られていたが、今は日本の製品の方が上質らしい。(ただし古い中国のものは最も良い)しかし、印泥は現代でも中国のものが主流だという。江戸から明治にかけて日本でもよい印泥(日本では印肉と言う)が作られていたが、現存しないので絵画に押された印でしか確認することができない。しかも中国の印泥とは成分が違うようで、記録に錬金とあるから金粉を入れたのかもしれない。中国でこのような技術はその家の秘伝で、男ではなく代々の女房へと引き継がれたというのも興味深い。

その後、偶然にも骨董店で日本の幕末の蒔絵の小箱に「錬金印色」の文字が書かれたものを見つけた。

「これだ!」

Zと期待して蓋を開ける。残念ながらガラス容器の中の印泥は最近の中国のものだったので、参考に箱だけをいただくことにした。

 

戸田浩二作陶展


2012年4月21日(土)―5月5日(土)

11:00〜18:00(会期中月曜休み・日祭日は営業します)

古美術祥雲2階展示室

www.shouun.co.jp



2010年祥雲、2011年アートフェア東京の個展に引き続き、2012年4月21日から祥雲で新作展を開催します。


                                                         ◆


「手にとってもいいですか?」

「どうぞ」

須恵器や仏器を眺める表情には、近寄りがたい気迫がある。

たびたび祥雲を訪れる寡黙な青年が、陶芸家だと知ったのはしばらくたってからのこと。

 

美しいものを見た時の感動を出発点に「古い形を真似るのではなく、その精神に近づきたい」と考える戸田さんは、気の遠くなるような反復の“無心”から、確かな手ごたえを感じているようだ。

伝統的と思える形の中に、意外な膨らみや繊細な線があらわれる。

内なる個性から、意識的に“つくる”ことを超えた、静かな美が“生まれる”。

 

 戸田さんの作品には「アート」「センス」「斬新」「シンプル」などの言葉や形にとらわれない、清々しい日本工芸の原点を感じる。

最初の個展開催の時は、お客様から「祥雲が、なぜ新作陶器?」と言われたが、
今では多くの古美術好きの方たちが戸田作品の新作をを楽しみにしてくださり、嬉しく思う。


 

戸田浩二さんの工房へ

帰国早々、来年の個展の打ち合わせのために陶芸家の戸田浩二さんの工房へ。
先月下旬に窯だしした作品を見せていただきました。
戸田さんの作品は確実に進化しています。

一番人気の焼締長頚瓶。古美術好きはこれを見ると必ず「王子型水瓶だっ!」と言います。
百済観音が持っている、憧れのアノかたちです。
ときどき、作品の形のオリジナリティについて「もっと独創的なものを」などと言う方がいるらしいのですが、それって「お皿が丸いのはオリジナリティがない」というようなものではないかと思います。
銅製の完璧な仏器のかたちを土であらわす事自体がたいへんな試みです。
戸田さんの作品が古美術好きやギャラリスト、研究者の方たちに人気なのは、きっとそのことを理解していただいているからでしょう。
今回は少し高台が高いタイプ。高温で黒く焼けていて美しい。

春の個展は新作もいろいろ計画中。楽しみです。











アートフェア東京 戸田浩二作陶&古写経、仏教版画

地震のために延期になっていた“アートフェア東京”が有楽町国際フォーラムで開催されています。蒸し暑い天候で心配する声も多かったのですが、初日からたくさんの方々にご来場いただきほっとしました。
祥雲は当初の予定通り、戸田浩二さんの陶芸に加えて壁面にて古写経、仏教版画を展示。
笠間の戸田さんの窯は地震でたいへんな被害に遭いましたが、今回は新作の美しい瓶で無事復帰。好評です。是非、お出かけください。

祥雲News
http://shouun.jugem.jp/

アートフェア東京
http://www.artfairtokyo.com/


また、7月28日から8月28日まで、京都の一保堂茶舗東京丸の内店で祥雲の古美術品が展示されています。フェアや美術館の帰りに
、涼しい喫茶室で一息いかがですか?


日常の器−ごはん茶碗

手に器を持って食べる習慣は、他の国には意外と少ないようだ。
欧米では基本的にナイフとフォーク。お隣の韓国でも器を手にとらないと聞く。

日本人が器の感触や重さにこだわるのは、このような食文化・習慣があるからだろう。
おかずのお皿は揃いでも、ご飯茶碗や湯飲みは自分専用という人も多い。
デザイン、指に感じる高台や胴の丸みの感触、大きさ、重さ、中の温かさの伝わりなど、お気に入りのものがあると嬉しい。

古美術商になる前から毎日使っている古伊万里の碗は、元々蓋付のものだが蓋なしで売られていた。地はグレーっぽく青磁や染付もぼやぼやした感じで、けして高級でも珍しくもないものだが、これでご飯をいただくとほっとする。

厚ぼったくて、向田邦子流に言うと
“持ち重りのする器”
食べてだんだん重く感じるのは、おなかの中ですが…。






瑠璃香

 中学時代の修学旅行で京都を訪れ、初めて伽羅の香木を手にして以来、卒業、結婚、出産と記念に香木を購入している中村健太郎さんは、若き古筆研究家だ。

お会いする度に、彼の文人的風流な生き方に、色々なことを教わる。

記念日に香木とは私も真似をしようと思ったが、考えるとあまり記念日が残っていない。
思いつくのは20年後のアレとは残念だ。


先日、中村氏に11月の戸田浩二作陶展“香”に使用する香りについて相談をしたら、思いがけず展示会のために記念のオリジナルの印香を手作りしてくださり、その形の美しさに感動する。
戸田さんの登り窯の薪から出た灰を使って香りを楽しむことに。

甘さを抑えた清楚な香りに“瑠璃香”と名づける。

講座香の歴史 http://shouun.jugem.jp/

香炉の蓋

“そこはかとなく”がいい。

煙ではなく香りを漂わせる。
香は来客の前に焚き終わり、どこから香っているのかわからないのが鉄則だ。

やきものの香炉の火屋を共蓋で美しく作るのは難しい。おそらく、穴のインパクトが強いせいである。

本来は焚き終わった灰は見えなくてもよいので、穴の開かない蓋や、小さな透かし程度で十分のように思う。
むしろ、そのほうが焚いていないときは美しいし、焚くときは蓋を開けて香木や灰の様子を眺めるのもいい。

11月18日から祥雲で開催する戸田浩二作陶展“香”の香炉制作ではあくまでも共蓋で美しくと、戸田さんは試作を行ない苦心した。

小さな蓮の蕾や実、宝珠が静かな佇まいの焼き締めに残り香を感じさせる。


 

香ー戸田浩二作陶展

11月18日(木)〜28日(日) 祥雲2F

 www.shouun.co.jp



戸田浩二さんの陶芸

  サッカー選手だったこともある戸田浩二さんは、体育会系陶芸家だ。

“今、薪を割っています”と書かれたお葉書をいただき、首を長くして窯だしを待つ。

いよいよ工房には、11月の祥雲での個展“香”に向けての新作の香炉が揃ってきた。

専門家もひそかに期待する戸田さんの作品。
須恵器のような深い黒の焼き締めは、窯だしを重ねるごとに新鮮な輝きを放つ。
祥雲では、20年ぶりの現代作家の個展になる。

“天平や平安時代の美しい形は余計なことを考えないで、目ざしながら、いつか体が覚えていくものなのだろう”と彼は考えているようだ。

薪を割ったような
….いや、竹を割ったような性格があらわれた端正で繊細なやきものは、清浄な空気をもたらす。

 

香ー戸田浩二作陶展

11月18日(木)〜28日(日) 祥雲2F

 www.shouun.co.jp


 

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