浄瑠璃寺

久しぶりにふらりと奈良の浄瑠璃寺に行きました。
本堂の優雅な廊下を通って、摺仏の入っていたという九体阿弥陀仏中尊に手を合わせて庭を散歩。
極楽浄土を表現しているという池を中心とした浄土式庭園には秋の草花が咲き平安時代を思わせます。池を前に本堂の緩やかな反りの屋根が美しい。
鎮守跡の背丈ほどに折れてしまった神木をしばらく眺めました



古寺参拝散歩 鎌倉 建長寺

久しぶりの建長寺。
桜や紅葉の季節には大勢の人で賑わうのだが、広大な境内の貸し切りに近い静けさについ不安になり「入ってもいいのですか?」と寺の人に伺う。
「ええ、地蔵菩薩さまがお待ちですよ」と優しい微笑みが返ってきた。

開山の蘭渓道隆の墓塔のある西来庵は修行僧の道場などがあり普段は門扉が閉ざされているのだが、牡丹の咲くこの時期だけは特別に開き、丹念に手入れされた牡丹を楽しみながら小道を散歩することができる。
貴婦人のように華やかな色とりどりの大輪からは女性的な芳しい香り。その傍らで若い僧侶たちが作務衣姿で号令をかけながら雑草の手入れをする光景は、美しくも不思議な調和を見せる。

中国では牡丹は花王とされ、非常に好まれたらしい。
渡来した高僧たちが次々と住職についた建長寺では牡丹を好んで選び大切に育てたのだろう。

中国様式の伽藍配置と共に伝統が花の一輪にも息づいているように感じた。

古寺参拝散歩 大津 石山寺

あけぼのは まだむらさきに ほととぎす

芭蕉が石山寺の源氏の間で読んだ句。式部供養塔と並んで句碑がある。

(ライバル清少納言の枕草子「春は曙….」を思わせるのが面白い)

源氏物語を読んでいると、物語の中にありながら描かれなかった部屋の御簾の奥に紫式部が筆を握っているような錯覚をおぼえる時がある。
物語の行間や、光源氏のまなざしの中に、生みの親の存在が見え隠れし、いまでは実在の人物であるなしはどうでもよいとさえ思えてくる。

紫式部ゆかりの地、石山寺の境内には国宝の多宝塔や素晴らしい石造品が点在する。豊浄殿では季節ごとに展示替えが行われ、今季
「石山寺と紫式部展」として源氏絵や紫式部に関係する美術品と共に、寺に伝わる仏像などが展示されている。平安時代の古硯はおそらく寺のものを紫式部が使ったということだと思うが二つの面があり、それぞれの海には鯉(濃墨用)、牛(薄墨用)が彫られていてかなり使い込まれている。白鳳時代の菩薩は今はトルソーになってしまったが瓔珞がみごとで素晴らしい。平安時代の維摩居士の印象的な姿、同じく平安時代の如意輪観音も見ることができた。


石山寺の最寄駅JR石山からバスで50分でMIHO MUSEUMへ。
6月5日まで「長澤蘆雪展」が開催されている。西光寺の龍図襖絵は龍を描きながら水を描く蘆雪の作品の中でも特に技量を感じさせる作品だと思う。
同じ龍でも趣は違うが、5月29日までの京都市立博物館「親鸞展」初公開の狩野探幽の龍も迫力があった。
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