こころの栄養

 ウィリアムさんはピーナッツバターをこよなく愛している。

ビジネスで忙しい毎日、この味を思い出すだけで、乗り切れる気がするそうだ。
いまどきは体にいいもの主義のニューヨーカーたち。
彼も朝食のパンにピーナッツバターを塗って食べる以外は、思い出すだけにしているらしい。

カタログで縄文の十字型土偶を見たデビットさんは、「僕の大好きなジンジャークッキーみたいだ。いつも見ていたいね」と一気に頬を緩ませた。

そういえば以前に「お母さん、虫歯を気にしておやつを遠ざけないで下さい。子供にとっておやつはこころの栄養です。」という記事を見たことがある。

子供の頃のお気に入りのおやつは、大人になってもこころの栄養になるようだ。

 

朝市好き

 日曜日は葉山の朝市で地物の野菜を買う。
種類は少ないが新鮮で小ぶりで味もやさしい。
海岸沿いで開かれる市場のしらすと若布も食卓の定番だ。

早朝の築地魚市場の活気も好きだ。
高級料亭用の食材を“へぇー”と眺めながら、秋刀魚を下げてぶらぶらと散歩をしながら帰る。

そして、ユニオンスクエアのマーケットはNYらしい。
どこの野菜かしらと思うような様々な品種の野菜が並ぶ。

所変われば野菜や魚の顔も違う。
住むところを選ぶときに、真っ先に朝市やマーケットが近所にあるかを確認する。
それほどグルメというわけではないのだが、新鮮な野菜や魚を選ぶ雰囲気が好きなのだ。

時差ぼけで、早朝に突然元気いっぱいの私には、賑やかな朝は嬉しい。

 

ところかわれば野菜の顔も違う。ユニオンスクエアのマーケット

森戸の潮神楽

 朝市でレタスを買ったらお餅の引換券をもらったので、森戸神社の潮神楽を観に行く。

太鼓が調子よく鳴り響くと、つい肩や腰でリズムをとりたくなりそうだが、神様をおむかえする神楽舞なので、楽しんで踊るなどということはなしに静粛に淡々と舞う。
神主たちが四座舞終わると、神様はお姿は見せないが、降りてきたようだ。

嬉しいことに、皆でお神酒のご相伴に与った。
お酒を振舞うとは、なんて場の雰囲気を読む神様なのだろう。
ほろ酔い気分で、紅白のきれいな丸いお餅を手に提げて帰り道を歩く。

さっそくおしるこを作るとしよう。

大漁を祈り江戸時代から続く潮神楽。五色の切り紙が海風にたなびいて、

誰かが富士山に向かって泳いでいったような
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